年賀状売りとハプニング

3連休ということもあってか人手がないのでどうしてもと頼まれ、
1日だけアルバイト。
とある大型スーパーの一角で相棒と共に年賀状のワゴン売りをした。
朝から雷雨というあいにくの荒天で、お客さんはまあまあいるものの
皆急ぎ足でワゴンの前を素通りしていく。
ま、時期が時期(散財後の3連休最終日だし、ボーナス前だし、
年賀状気分にはまだまだ遠い11月初旬)だけに予想通りさっぱり売れず。
そんな中、午後に滝のような雨が降る中、
突然ワゴンの近くの天井から水が滴り落ちてきた。
ちょうどエスカレーターを下りきった場所。
お客さん達は頭上を見上げながら水を避けて下りて行くが、危ない事この上ない。
私は急いでスーパーのレジの人に声をかけた。
滴る水はだんだんひどくなるし、床は水浸しでモップで拭いてもキリがない状態。
とうとうエスカレーターを止めて、周囲にパイロンが立てられた。
実はそのエスカレーターは2階の屋内駐車場から店内に下りて来るためのもの。
だから水がどこから流れてきたものかと不思議だった。
そうこうするうち突然警報音が鳴って、
エスカレーターをL字型に囲む防火シャッターが降りてしまった。
シャッターを挟んで向こうとこちら、行き来できなくなったのだ。
数件のテナントが並ぶ狭い一画で、店の奥に行こうとしていたお客さんと共に、
私もぽつんと取り残されてしまった。
幸い相棒はワゴンのある側のレストランで昼食を摂っていたが、
戻ってきたらこんなことになっていて「どったの、これ?」とビックリ。
こんな場面で「年賀状はいかがですか〜」と声を張り上げるわけにもいかず、
2人でただ行方を見守るのみ。
お客さんに「どうなってるの?」と聞かれても、こっちが聞きたいくらいだ。
おりしも昼食休憩の店員さんの交代時間にぶつかり、
売り場に戻らなければならないのに戻れない…という人も当然いる。
数人は反対側の出入り口から戻ることを決め、豪雨の外に出て行った。
そうこうするうち重いシャッターがゆっくりと上がり始めた。
50センチほど上がった隙間から脚立が見えた。
どうやら天井に上って手動でシャッターを上げているらしい。
2〜3人の男性店員が交代で30分もかかってようやくシャッターが上がりきった。
相棒によるとあちこちでシャッターが閉まっていて、
20〜30人の店員さんがシャッター上げに汗を流したらしい。
とんだハプニングだったが火事などの災害でなくて良かった。
そして8時間の立ち仕事はもはや無理だとヘロヘロに疲れた一日だった。