いじめっ子とイジメ

教育再生会議が発表した「いじめ問題への緊急提言」について、
朝刊にも載っていたし朝からテレビでも取り上げていた。
それらを見聞きし、こういうことは今の子供達に通用しないだろうなと感じた。
イジメたい相手の名を上げて「イジメを受けた」と逆利用する子供が出る危惧さえ
覚えるのは、私自身のトラウマのせいかもしれない。
昔からいじめっ子はいた。私の時も幼稚園や小・中学校のクラスにいた。
当時のいじめっ子は「弱い者いじめは恥ずかしいこと」と先生から叱責され、
回りから白い目で見られ、相手に謝罪していじめが収まるパターンが多かった。
しかし今は「恥」や「自責」の概念がないに等しいように思う。
自分を大切にし誇りを持たないので、恥も外聞もないことを平気でする。
先日地下鉄で高校生達の会話を耳にした。
「今度は高校1年生だって」「また自殺?」「よくやるよね〜」・・・
こういう感覚しか持たない子供達を生んだのは大人社会なのだと思う。
教育再生会議は結局のところ大人だけの机上の話し合いである。
理想論にすぎないが、もしもそれに子供達が参加し討論できる社会であればと思った。
大切なのは結論ではなく様々な考え方を知ること、
意見の違う人たちと話し合うこと、そして再び考えることではないのかと。


ところでイジメた生徒に対しての処罰(別室での授業や奉仕活動)について、
その生徒がクラスに戻ってきた時に逆イジメの対象にならないか…という指摘があった。
イジメによってこれほど多くの子供達が命を絶っているのに、
随分と加害者に対しての配慮はあるものだと感心した。
確かにイジメの連鎖は起きるかもしれない。
だとすると「いじめ問題への緊急提言」の意味は?
そしてあえて言えばイジメをする者への一番のお灸は、
自らイジメを受けて初めてその痛みが分かるということではないかと感じる。