落ち着いて

娘はSちゃんに誘われてケーキを作ると言って出かけた。
いつもの決り文句「帰る時間は守ってね」と言って送り出す。
何の屈託もなく嬉しそうに出かける姿に私もなごむ。
5時5分前に帰宅した娘のお土産は、紅茶がたっぷり入ったシフォンケーキ。
おいしかった♪
そしてSちゃんがナイキの白いリストバンドをプレゼントしてくれた、と
左手にはめて見せてくれた(娘は左利きなので右手には時計をはめている)。
Sちゃんがどんな気持ちでかっこいいリストバンドをくれたのか、
娘の心に沁みてくれてたらいいな。


私は今回のことで娘が不登校になったらなったで
別の道を捜せばいいじゃないかとハラをくくっていた。
娘は考える力も行動力もある子なので、それが回り道だったとしても
娘にとって必要なものならいいじゃないかと。
それが娘の個性なのだ。
娘の良いところを受け入れてくれる場所が、きっとある。
何よりも娘は自分の意思で家に帰ってきた。
それだけでもう充分だった。


でも「良いきざし」を期待する先生からの電話は、
時間をかけたいという私達とはまた違っているように感じる。
金曜日には、月曜日も登校できないようなら必ず朝のうちに電話してください、
と言われた。
月曜日はカウンセラーが来る日なので…とカウンセリングも勧められた。
「月曜日に行けるかどうか分かりませんが…」と言うと、
「午後6時までいますので」と言う。
後々後悔しないために、早目に対処をという気持ちは分かる。
時間が経てば経つほど、娘は学校に行きにくくなるだろうとも思う。
ただ…
学校に戻ることが娘の本当の姿かどうか…
やはり時間をかけて考えさせたいという思いの一方で、
違う景色を見ている先生の言葉は、教育のスペシャリストであるだけに、
これでいいのかと不安にさせられる。


今朝の朝日新聞「傷とともに進もう」を読んだ。
5年前のバスジャックの事件で17歳の少年に重症を負わされ、
九死に一生を得た山口由美子さんの話である。
彼女自身不登校の子供を持ち、悩み抜いた経験がある。
それゆえこの少年だけを責める気持ちになれなかったと言う。
彼女の場合は4年間、我が子を見守り続けたそうだ。
我が子の生きる力を信じる一方で揺れる私に、
「焦るこたないさ。人生は思いのほか長いんだよねぇ」と言ってるように聞こえる。
私ってば、開き直ってるつもりでまだまだ甘いな…
自分で他の居場所を見つけるまで、この家が娘の居場所。
それでいいじゃん♪
「ありのままの自分でいいんだよ」
今は心からそう思う…
それは私自身への言葉にも聞こえる。
賢い母親じゃないけど、ありのままの私で娘と接していこうと思う。