媚びと七光り

反省ついでにもうひとつ。
見るともなく見ていたテレビで、あるレストランの紹介。
インタビュアーが「こちらには有名人も多くお越しになるとか?」
オーナー「はい、○○さんや△△さんや…(中略)
中でも○○さんは月に1回はいらっしゃいます」

…有名人の名前で自分を自慢するのは、見苦しい印象。
とはいえ私には以前、苦い思い出がある。
知り合った女性のご主人が東大出の某有名大学の先生と聞いていたので、
「ご主人、すごい方なんですね」と彼女に言った。
すると彼女は、夫のことで自分を判断しないで欲しい、
というようなことを実にさり気なく柔らかく、しかしきっぱりと伝えた。
会話の取っ掛かりとして選んだ自分の話題の貧しさに、
思わず赤面した出来事だった。
このことがあってから、有名著名あるいはスゴイ人の関係者であることを、
その人本人の人間性として考えてはいけないと思った。
レストランの味もまた然りである。
私は俗な人間なので、ちょっと有名な人と知り合いになったら、
きっと自慢してしまうだろうが、
それは却って自分の価値を落とすことになると、
このレストランのオーナーを見て再認識した。
名前の知られた人と関わりがあるというのを回りに話すのは、
自分の力以外の七光りに頼る媚びた人間のすることだと思う。
自戒、自戒…