記録

2月21日(月)
夜、担任の先生に娘が帰宅したことを報告。
そして「時間がかかると思うのでしばらく休ませます」と伝えた。
「しばらく、ですか?」
「はい」
「うーん…」
「今日明日すぐに解決できないので、普通に生活しながら様子を見たいんです。
私も明日は仕事に行くつもりです」
「仕事?家にいなくて大丈夫ですか?」
「家にいようか?と聞いたんですけど、娘は大丈夫だと言いました。
お互いに気持ちを落ち着かせる時間を作った方がいいような気もします。
家族それぞれ普通に接する方がいいと感じてます。
様子を見ながら何か変化があったらお知らせしますので…」


2月22日(火)
昨夜はよく眠れず、具合が悪い。
夫も熱があるが会議なので出かけて行った。
私も職場へ行く。
家を出る前に娘の部屋を覗くと、すやすや眠っていた。
布団から手を引っ張り出し、いつも身に付けている
母からもらった念珠のブレスレットをはめてやる。
途中で目を覚ましたので
「一人で大丈夫?」と聞くと「大丈夫」。
ブレスレットを見て「ありがとう」と呟いてまた眠った。
帰宅すると居間に降りてきて、「はい、これ」と言って
自分の腕から外したブレスレットを私の腕にはめた。
「たいくつだろうと思って本を買ってきたよ」。
「わーい、どんな本?」と、さっそく見ている。
レベル7(宮部みゆき)、パレード(吉田修一)、
そして彼女は天使になった(キャサリン・アップルゲイト)。
図解雑学心理カウンセリングも買ったが、これは私が読むため。
(私より先に息子が読み始めたが…笑)


2月23日(水)
夫も私も2連休。
夫は熱が下がらず、職場でインフルエンザが蔓延しているので病院へ。
A型だった。
珍しく息子も家にいて、家族4人が揃っている。
新聞を読んだりテレビを見たり、居間には誰かが入れ替わりいる状態。
娘もソファで本を読んでいる。
ソファの隣に誰がいても避ける様子は全くない。


2月24日(木)
朝、先生から電話があり、夫が出た。
友達の一人が、ネット上で交わしている交換日記の内容を
先生に相談したそうだ。
「自殺の方法として凍死、リストカットなどが話題に出ていたそうです。
最近、お父さんが口うるさくて家を出たい、とも話していたようです。
S(友達)は身近にいながら何もできなかったとしょげていました」と。
Sちゃんは寒空の中、娘を捜してくれたお友達の一人。
彼女達も思春期だもの、傷ついただろうな。
私はちょっと気持ちがふさがれてゆくのを感じた。
私も微熱があり体調もすぐれないので病院へ。
風邪と気管支炎だった。
娘はよくお手伝いをしてくれる。
夕食を作っていると「やりたい」と言うので、
横からあれこれ教えながら作ってもらった。


2月25日(金)
夫は仕事。
私はまだ具合が悪いので思いきって休むことにした。
今朝も先生から電話があり、私が出た。
変化がないので話すこともないのだが…
なんとなく責められているようで憂鬱になる。
娘が昼食にチキンライスを作ってくれて、息子と3人で食べた。
午後、友達が二人来てくれた。
最初玄関先でぎこちなかったが、すぐに笑い声がはじけ、
静かになったなと思ったら3人でゲームに興じていた。
先生からの電話やお友達が来てくれたことをきっかけに、
「これからどうする?」と聞いてみた。


友達もいるし行かなきゃな、とは思うけど、
行かなくて済むんなら学校へは行かなくてもいい。
『行きたくない』わけじゃない。
ピアスをしててもいいんなら行くけど…やっぱ、行きにくいしな。


「ピアスしようがしまいが、私はたいしたことじゃないと思うよ。
それが個性なんだからピアス付けた子が学校に行って何が悪いのさって、
学校に言いたいよ。
でもいっぱい生徒がいて、みんなが気分良く過ごせるように考えて、
ルールってもんがあるんじゃん?
ルールはみんなが守るもんじゃん?
そのルールの中で、じゃ、どうしたら自分らしくいられるかが大切だよね?
ピアスしたいんなら夏休みに付けて、1ヶ月過ごせば穴も固まる。
そしたら学校行ってる間は外して、家にいるとき付けるとか、
方法はいろいろあると思うよ。
自分がどうしたいのか、いろいろ考えてみようよ」
「………」