見学

フリースクールの見学に行って来た。
札幌駅の北東に位置するビル。
駅の西側は商業地域として南も北も開発されているが、
創成川をはさんで東側は古いビルやアパート及び住宅、
商店や工場(こうば)などがひしめく地域である。
ここから更に東の菊水という下町に育った私には、
ダサダサではあるが懐かしい風情の残る景色だった。
エムルの目にはどう映っているのか…などという感慨は無用で、
彼女は「あったあった!ここじゃない?」と走り出す。
実は駅には予定より15分も早く着いていたのに、
方向音痴の私がたどり着いたのは約束の時間より5分ほど過ぎた時刻だった。
J学園は各階ワンフロアの小さいビルだったが、
自己紹介と説明の後に見せていただいた教室の風景は実に暖かく自由だった。
フロアは2〜3に仕切られているが仕切りの壁に大きな窓が設けられ、明るく開放的だ。
窓外の窓は都心だから緑は少なく、
向かいのビルの窓がこちらを向いてたりするのは仕方がない(笑)
大きな机に隣り合ってそれぞれにノートや本を開き、あるいは木彫りをしてたりする。
数人が踊りの振り付けをしてる部屋があったり、
ギターやタンバリンを手に歌ってるフロアもある。
間もなく終業式なのでいつもより雑然としているかも、という先生の心配そうな声の横で、
壁際の本棚を覗き込んだり…エムルの目はキラキラしてる。
卒業生を祝う会で「大地讃頌」を歌うんだけど、知ってる?
と聞かれて、コクコクと頷いた。
で、今練習中なんだけど来る?…と聞かれ、嬉しそうに「はい!」と答えていた。


義務教育の中学生が不登校の場合、
たとえば高校に進学したい場合などは内申点がネックになる。
中学校に登校しない生徒に対して、
評価のしようがないという理由で「オール1」をつける学校もあれば、
家や中学の保健室、もしくはフリースクールなどの場で
テストを受けさせてくれる学校もあり、
あるいはテストに替わるレポート提出で評価するなどは、
各学校の指導者の考え方に左右されるようだ…
エムルが高校に行く可能性があるかどうかは全く未知数とはいえ、
もし何らかの努力をするとすれば、それはやはり評価してやりたい気もする。
中学の担任の先生も面会を望んでいるし
(人の評価って何?…という思いはさておき)、
近々一度会って今後のことを話し合う必要があると感じた。