刑事さんの心遣い

北署の担当刑事さんが「近くに来ているので」と、
盗まれたSDカードとレシートが入ったケースを届けてくれた。
さっそく家にあるデジカメでSDカードの中を見てみたが、
何も写っていなかった。
結局予備のまま父は使わずじまいだったようだ。
落胆する私に刑事さんも「残念ですね」と言ってくれた。
デジカメの盗難届を出したら見つかる可能性はあるだろうかと聞いてみた。
1件だけ植え込みに捨てた品が出てきた以外は、
犯人は不要の盗品をことごとくゴミステーションに廃棄しているので、
出てくる可能性は極めて薄いとの事だった。
う〜ん、そうか…やはり諦めるしかないか…
そうしたら夕方、再び刑事さんから電話がきた。
「あれから自分もいろいろ考えてみたんですが」と言う。
父が最後に残した写真が入っているカメラであることや、
私の落胆振りを気にかけてくれたらしい。
要するに盗難届では拾得物の照合が盗難にあった地域に限定される。
そこで遺失物届を出して、市内のどこでなくしたかはっきりしない、
と言うと全市に照合してもらえる可能性があるのだそうだ。
何もせずいつまでも心残りでいるより、やってみる価値はある。
刑事さんの心遣いが嬉しい出来事だった。