憂鬱な病

かかりつけの内科で検査した折、母の体にあらたな問題が見つかった。
膀胱が3倍程度に肥大しているという。
母は内科で撮ったCTと紹介状を持って、以前帯状疱疹で入院した総合病院へ行った。
結果、自分で尿を出す以外治療法はないとのことだった。
その方法は尿道にチューブを差し込み、それを膀胱に到達させ排出させるというもの。
その場で何度も指導を受けたがうまくできなかった上、
痛みと恥ずかしさで母は精神的にもかなり参ったようだった。
私は腎盂炎を患った時にこれで尿を採取されたことがある。
ある看護婦さんのとき全く痛みのないときが1回だけあった他は、
採尿のたびに焼けつくような痛みと不快感があり恐怖だった。
それを素人のしかも70歳を超えた母に一日4回やれと言うのだ。
放っておくと腎臓透析を受けなければならなくなるかもという言葉も、
脅しのように感じられたと母は言う。
以来母は落ち込み、「こんな思いまでして生きていたくない」と涙ぐむ。
私は例えばふくらんだ膀胱の一部を切除して改善するなど、
他に方法がないかと考えた。
別な病院でセカンドオピニオンを受けることを勧めた。
母はもう自分では何もする気が起きないので、私が2ヶ所の病院に電話で相談してみた。
その内1件は専門医が週1回しか常駐せず、予約が1ヶ月先まで満杯。
もう1件が、診察結果にもよるが母の年齢や心理的なものを考慮してくれるという。
さっそく母に電話して、私が付き添うからS病院へ行こうと説得した。
私が一緒ということで母の心が動き、来週行ってみることになった。
今より少しでも良い結果が得られることを願っている。